生命保険会社が契約者の中小企業の資金繰り支援を開始
新型コロナウイルスの感染が広がるなか、生命保険会社が契約者である中小企業の資金繰りを支援する動きが出てきたもよう。中小企業向け保険が主力のエヌエヌ生命保険が、契約者への貸付金利をゼロ%にしたと発表。大同生命保険やソニー生命保険も同様の対応を検討中
エヌエヌ生命
契約者貸付の金利を2月18日に遡ってゼロ%に引き下げするとのこと。2010年以降の契約には2.35%が適用。契約者ごとに解約返戻金の範囲内で一時的な資金を貸し出す方向。震災や台風などの災害時に被害地域に限って金利を免除することはあるが、今回のように感染症の影響を理由に適用するのは初めてのこと
アクサ生命保険
契約者向けの貸付金利を通常より0.5%減免すると発表。解約返戻金の8割程度を限度に一時的な資金を貸し出す契約者貸付の金利を8月末まで引き下げるとのこと。現行契約では1.25%のところ、0.75%になる。また、保険料の払い込みを猶予する期間も通常の2カ月から6カ月に延長するもよう
明治安田生命
企業向け貸付への対応として、当社の融資を利用している法人を対象にして返済条件の変更等の申し出について個別事情に応じ対応すると発表
ネオファースト生命
契約者が新規に契約者貸付を利用する場合において特別金利(利息の免除)を適用することを発表
対象のご契約 | 「一定期間災害保障重視型定期保険」(法人向け商品) 「一定期間災害死亡保障重視型生活障害定期保険」(法人向け商品) |
特別金利 | 年 0.0% |
契約者貸付金額の上限 | 解約返戻金の一定割合以内 |
特別金利適用期間 | 新規貸付日から2020年9月30日まで |
新規貸付受付期間 | 2020年2月18日から2020年5月31日まで |
生命保険協会において協会対策本部を設置し対応の強化へ
生命保険協会の会員各社において新型コロナウイルス感染症により影響を受けられた方を対象に新型コロナウイルス感染症に伴う金融上の措置を踏まえた対応を徹底し、新型コロナウイルス感染症に係る特別取扱いを実施すると発表
1.保険料払込猶予期間の延長
保険契約者からの申し出により保険会社が定める日から最長6か月間の保険料払込猶予期間の延長措置を実施
2.保険金等各種支払に関する措置
保険契約者または保険金・給付金受取人からの申し出により、保険金・給付金および解約返戻金・契約者貸付の請求にかかる必要書類の一部省略等、簡易支払いに関する措置を実施
マニュライフ保険
マニュライフの保険の契約者や被保険者が新型コロナウイルスに感染した場合、5万円を給付すると発表しました。保険契約に基づく保険金とは別に、「見舞金」として支払う形になるとのことです。マニュライフは香港やシンガポールで同様の取り組みを実施しており、日本でも導入を決めたもようです。ただし、3月12日以前に加入した契約者が対象で、個人保険のほか、役員や従業員が被保険者となっている法人契約の保険も含み、入院や治療の有無にかかわらず、感染と診断された場合に支払うとのことです。
かんぽ生命保険
保険料の払込期限を最長6カ月延長すると発表。コロナ問題で影響を受けた契約者を支援するために保険金の請求手続きにおいては一部の書類を省略するなどの対応も実施。新型コロナウイルスを巡っては、医療機関で感染が広がり入院できなかったり当初の予定より早い退院を余儀なくされるなどの場合がある。そこで、かんぽ生命保険は、医師の証明書を用意することにより本来必要な入院期間で保険金を支払う特別対応をするとのこと。
アフラック生命保険
保険料の払込期限を最長6カ月延長すると発表。コロナ問題で影響を受けた契約者を支援するために保険金の請求手続きにおいては一部の書類を省略するなどの対応も実施。