政府は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う経済活動の停滞により、資金繰りに不安を抱える企業を支えるため、危機対応融資を発動する方針を固めたことを発表しました。財政投融資を活用し、大企業や中堅企業向けにも低利融資や利子補給を実施するとのことです。すでに中小・小規模事業者向けには実質無利子、無担保の融資で支援すると表明しているものの影響の長期化を念頭に安全網を広げているようです。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける中小企業を支援
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受ける中小企業を支援するために民間金融機関に対して、貸し出しの金利を下げ、返済期間を猶予するなどの条件の変更を求めると要請し、企業の事務負担を減らすためにも金融機関に提出する書類を簡素化することも求めたとのことです。
観光客の減少や製造業者の生産減が拡大している中、年度末を控え、資金繰りを懸念する企業が増えており、一部においては経営破綻のリスクも出てきていることが現状のようです。金融庁は、民間金融機関に対して新型コロナウイルスの影響で資金繰りが悪化している融資先への対応状況について報告を要求し、定期的に融資先からの貸し付け条件の変更の申込件数や、実際に条件変更を実行した件数、断った件数も報告することとし、金融支援を促す方向のようです。
政府は2009年に「中小企業金融円滑化法」を成立、銀行などが中小企業から申し込みがあった場合に貸し付け条件の変更にできるだけ応じるよう措置し、どれだけ条件を変えたかなどを報告することを義務化しており、新型コロナウイルスの感染拡大を巡り、金融機関に融資先への支援を要請していたとのことです。金融庁は事業者の資金繰りの悪化のスピードに金融面での対応が追いついていないと判断し、リーマン時の金融円滑化法と同様の対応を行うもようです